鉄道地震災害シミュレータの開発

断層の破壊から表層地盤および構造物の地震時応答を路線全体にわたってシミュレーションが可能です。

1.鉄道地震災害シミュレータ

断層・地盤・構造物情報アーカイブスに格納されているデータを用いて断層~地盤~構造物の解析モデルを自動で作成可能なモデリングツールを構築し、比較的容易に鉄道路線全線の地震災害シミュレーションが可能となる鉄道地震災害シミュレータ(図1)を開発しました。

2.シミュレータおよび可視化機能

本シミュレータは、格納されているデータの多寡やシミュレーションの目的に応じて、最適な解析モデルを選択できます。

詳細なシミュレーションとして、断層から基盤までは3次元FEMモデル、表層地盤は2次元FEMモデル、構造物は3次元骨組モデルを使用することが可能です。

一方で、地盤の多層1次元非線形モデルを土質種別とN値から1)、構造物の等価1自由度モデル2)を構造種別と高さからモデル化した簡易シミュレーションの実施も可能です。

これらにより、路線全体の地震災害シミュレーションを容易に行うことができ、鉄道システムの地震時安全性評価や弱点箇所の抽出等の実施が可能です3)。

また、GIS上での結果表示ツールや、損傷画像・動画の作成ツールを整備することで、予測される被害の状況や地震時のリスクを様々な分野の方々に理解しやすくしています(図2)。

3.シミュレータの活用

今後想定される首都直下地震や南海・東南海地震に対しては、事前に弱点箇所を抽出し、耐震補強の検討や復旧シナリオの作成を行うことが重要です。

本シミュレーターはそれを効率的に実施、および支援するためのツールとして使用できます。

なお、本開発の一部は国土交通省補助金を受けて実施しました。

図1 鉄道地震災害シミュレータの概念図
図2 シミュレーション結果の可視化

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参考文献

  1. 野上雄太、室野剛隆:S字型履歴曲線を有する土の非線形モデルとその標準パラメータの設定、第30回土木学会地震工学研究発表会論文集、2009
  2. 室野剛隆、佐藤勉:構造物の損傷過程を考慮した非線形応答スペクトル法の適用、土木学会地震工学論文集、第29巻、pp520-528、2007
  3. 井澤 淳、坂井公俊、本山紘希、室野剛隆:地震災害シミュレータの開発、日本鉄道施設協会誌、Vol.52、No.3、pp. 228-230、2014
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