脈状地盤改良による経済的な液状化対策

液状化地盤中に脈状改良体を作成することで周辺地盤を締め固め、経済的に液状化対策を実施できます。

1.脈状地盤改良工法

従来採用されている液状化対策工法は、液状化地盤を完全に改良する高改良率を前提とするため、広範囲の領域を対象として液状化対策を実施するには非常に高いコストが必要となります。

そこで、動的に薬液を割裂注入することで、地盤内に脈状の改良体を作成して周辺地盤を密実化させる脈状地盤改良工法を開発しました(図1)。

本工法では、従来の改良率(30~40%程度)よりも大幅に低い改良率(10%程度)で改良を実施するため、低コストかつ短期間で液状化被害の軽減が可能です。

2.品質および対策効果の確認

土槽ピット内において注入試験を実施し、図2に示すような脈状の改良体が出来ていること、地盤の密実化によりN値が増加することを確認しています1)

一方で、注入率から改良後のN値を算定する手法を構築し、注入試験から得られたN値の増加と概ね整合することを確認しています2)

この改良後のN値を用いて液状化判定を実施することで、脈状改良による液状化対策効果が評価可能です。

その他、品質確認手法の提案3), 4)や、振動台実験や有効応力解析による対策効果の確認を行っています。すでに営業線盛土直下地盤に対して実用化されており、広範囲の液状化地盤に対する液状化対策工法として適用できます。

本研究の一部は「国土交通省交通運輸技術開発推進制度」により実施致しました。

図1 狭隘な既設鉄道構造物下の脈状地盤改良のイメージ
図2 施工試験結果

参考文献

  1. 大西高明、林田 晃、入山 修、井澤 淳、上田恭平、小島謙一、舘山 勝、藤原寅士良:脈状注入工法による液状化対策の提案,第50回地盤工学研究発表会,2015.
  2. 小島謙一、井澤 淳、上田恭平、舘山 勝、大西高明、林田 晃、入山 修、藤原寅士良:脈状注入による液状化対策効果の評価手法に関する検討,第50回地盤工学研究発表会,2015.
  3. 水野弘二、藤原寅士良、大西高明、林田 晃、入山 修、井澤 淳、上田恭平、小島謙一、舘山 勝:脈状注入改良地盤の品質確認手法に関する検討,第50回地盤工学研究発表会,2015.
  4. 細井 学、藤原 寅士良、井澤 淳、上田恭平、小島謙一、舘山 勝、大西高明、林田 晃:脈状改良地盤の現場試験施工と品質確認手法に関する検討、第70回年次学術講演会、2015.
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