ポリマー免震層を用いた既設開削トンネルの耐震対策工

地震時に発生する地盤変位の緩衝材として、開削トンネルの外側にポリマー免震層を設置する耐震対策工を開発しました。

兵庫県南部地震では、地震時に生じた地盤変位によって開削トンネルが崩壊したことから、既設開削トンネルにおいて耐震補強を行う事例が増えています。

開削 トンネルの補強は、中柱については鋼板巻き補強などで対処できますが、地盤に接している側壁については片面しか補強できないため、合理的な補強ができない状況にありました。

そこで、地震時の地盤変位によるトンネル躯体の応力増加に対して、開削トンネルの外側にポリマー免震層を設置する耐震対策工を新たに提案しました。

開発したポリマー材(ポリビニルアルコールゲル体)は、変形性、環境への適合性、耐久性に優れていることから、地盤変位の緩衝材(免震材)と して、十分な特性を有しています。

ポリマー免震層の効果を地震応答解析や模型振動実験によって検証した結果、ポリマー免震層と地盤の強度(Vs)比が 1/100、免震層の厚さを40cmとした場合で、側壁のせん断応力は約50%低減できることが確認されました。

本工法は、従来から地盤改良で用いられている連続横引き(TRD)工法によって効率的な施工が可能で、その他の一般的な地盤改良用施工機でも、セメント ミルクをポリマー材に代えるだけで施工することが可能です。

なお、地下鉄の実現場を想定した試算を行ったところ、本工法の工費および工期は従来の片面鋼板 補強工法に比してともに1/2程度であることを確認しています。

図1 ポリマー材(ポリビニルアルコールゲル体)の柔軟性
図2 ポリマー免震層の施工イメージ

参考文献

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