RE系線材を用いた高温超電導磁石の開発

浮上式鉄道への応用を目標に、希土類系(RE系)高温超電導線材を用いた超電導磁石の開発を進めています。

1.RE磁石の特徴

高温超電導線材の中でも、RE系線材は高温・磁場中で優れた通電特性を有しています。

そのため、磁石運用温度を従来よりも高く設定することができ、超電導磁石の軽量化、構造の簡素化および冷凍機消費電力の低減が可能になります。

さらに、液体ヘリウムなどの冷媒を介さず直接冷凍機で冷却できるため、超電導磁石の運用が極めて簡便になります。

2.コイル化技術

RE系線材を用いた超電導磁石製作は世界的にみても前例が少なく、技術的な確立が急がれます。特に重要な課題としてコイル化技術が挙げられます。RE系線材はテープ形状をしており、強度にも違方性があるため、従来の低温超電導コイルの製作手法が使えません。

私たちはコイル構造を再検討し、浮上式鉄道用超電導磁石と同じスケールの大型コイルを製作することに成功しました(図1)。

3.断熱技術の改善

また、コイル化技術だけでなく磁石の断熱構造も改善する必要があります。浮上式鉄道のように長時間運用する超電導磁石においては、真空断熱層の劣化が問題になります。

これは高真空中では物質に付着している残留ガスが徐々に放出されるためです。この様なガス放出はアウトガスと呼ばれ、磁石を構成する部材ごとに定量的に評価して、磁石の設計にフィードバックすることが求められます(図2)。

本研究は国土交通省の補助金を受けて実施しました。

図1 RE系線材を用いた実機大レーストラックコイル
図2 各種材料からのアウトガス放出量比較

参考文献

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