高温超電導機器冷却用パルス管冷凍機

RE系高温超電導磁石の冷却に必要とされる170 W @50 Kの冷凍能力をもつパルス管冷凍機を開発製作しました。

1.パルス管冷凍機の特徴

パルス管冷凍機は、低温空間にピストンなどの可動部を持たないため軽量、低振動であり、構造が簡素でメンテナンスが容易であるというメリットがあります。

しかしリウムガスの変位と圧力変化の位相調節に制約があり、従来のGM冷凍機よりも効率や冷凍能力に課題がありました。

しかし、アクティブバッファ方式と呼ばれる位相調節機構の考案により、効率に関してもGM冷凍機に匹敵する値が得られています。

2.並列パルス管冷凍機

パルス管冷凍機2基を1台の圧縮機で運転し、それぞれのパルス管の、高低圧ガスの切り替えタイミングを逆にすることで、圧縮機の負荷および高低圧ガス切替バルブにおける圧力損失が大幅に低減され、冷凍能力、効率が向上することがわかりました。

このような構成とすることで、圧縮機のメンテナンスコストも最小限に抑えることが可能になるなどのメリットもあります。

パルス管冷凍機2基を並列運転することにより、50Kで冷凍能力170W、COP(効率の指標となる値)0.023を達成し、50K領域における冷凍能力、COPともに、従来のGM冷凍機と比較して非常に高い性能を有するパルス管冷凍機が完成しました(図1)。

3.高温超電導磁石用冷却システム

磁気浮上式鉄道用超電導磁石に高温超電導線材を用いれば、超電導コイルおよび構成部材の比熱が飛躍的に大きくなることにより熱的安定性が向上するため、超電導磁石の信頼性の向上が期待できます。

運転温度が50 K程度まで上昇すれば、現在ヘリウムの液化に用いられている2段のコールドヘッドを持つGM-JT冷凍機に代わって、構造のより簡単な単段冷凍機で冷却することも可能です。

今回開発した並列パルス管冷凍システムを用いることができれば、低温空間の構成も簡素化され、低コスト化も期待されます(図2)。

本研究は国土交通省の国庫補助金を受けて実施しました。

図1 並列パルス管冷凍機(左:試験装置、右:写真)
図2 並列パルス管冷却システムによる高温超電導磁石の冷却

参考文献

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