超電導磁気軸受を用いたフライホイール蓄電システム

超電導磁気軸受を用いた世界最大級のフライホイール蓄電システムが完成しました。今後実証試験を進めていきます。

1.フライホイール蓄電システム

フライホイール蓄電システムとは、装置の内部にある大型の円盤(フライホイール)を回転させることによって電力を運動エネルギーとして貯蔵し、必要に応じて回転力を再び電力に変換するシステムです。この度、超電導磁気軸受を用いた世界最大級のフライホイール蓄電システムが完成し、今後太陽光発電所において再生可能エネルギーの安定導入に向けた実証試験を実施します。また本システムは、回生失効対策等鉄道の省エネを実現するための蓄電装置としても応用可能です(図1)

2.開発したフライホイールの特徴

回転軸側と軸受側双方に超電導材料を使用する超電導磁気軸受を世界で初めて実現しました。コンパクトなサイズで大荷重を支えることができる超電導磁気軸受を用いることで、内蔵したCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製のフライホイール(重量4トン、直径2m)を最高6,000回転/分で回転支持することが可能となりました。本システムは出力300kW、蓄電容量100kWhで、超電導磁気軸受を用いたフライホイール蓄電システムとしては世界最大級の規模です(図2)。また、発電電動機とフライホイールの組み合わせを変更することにより出力と蓄電容量を任意に変更できるため、鉄道をはじめ様々な用途に対応することが可能です。

3.フライホイール蓄電システムの用途

電気鉄道の回生失効対策としての電力貯蔵装置や、太陽光発電・風力発電等出力変動の大きい再生可能エネルギーの安定導入に向けた対策として出力平滑化装置等に用いることができます。
本開発はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成を受けて、公益財団法人鉄道総合技術研究所、クボテック株式会社、古河電気工業株式会社、株式会社ミラプロおよび山梨県企業局の5者共同で実施しています。

図1 フライホイール蓄電システム外観
図2 フライホイール蓄電システムの特徴

参考文献

  1. 「在来方式鉄道へのリニア技術の応用と取り組み」、鉄道総研報告 2006年8月号、pp.33-36 (2006)
  2. 「超電導バルク体と超電導コイルを用いた磁気軸受の載荷力密度」、鉄道総研報告 2007年9月号、pp.29-34 (2007)
  3. 長嶋賢:超電導バルク体と超電導コイルを用いた磁気軸受の検討、第198回鉄道総研月例発表会要旨、2007.02
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