最終更新日 '09/08/10
SUPERCONDUCTING MAGNETICALLY
LEVITATED TRANAPORTATION SYSTEM
MAGLEV
鉄道による大量高速輸送時代の幕開けとなった東海道新幹線の開業の1964年(昭和39年)から、すでに40年以上が経過し、山陽、東北、上越、長野と建設された新幹線ネットワークはわが国の文化や経済の発展に重要な役割を果してきました。
この新幹線開業の2年前、1962年(昭和37年)に当時の国鉄の鉄道技術研究所は次世代の高速鉄道の開発を始めました。鉄車輪と鉄レールの間の摩擦力(粘着力)に依存する従来方式の鉄道の限界を打ち破る技術として、リニアモータ推進方式が採用され、車両に搭載した超電導磁石と地上コイルとの電磁気的な相互作用により、全く非接触で速度500km/h以上の高速走行を可能とする超電導磁気浮上式鉄道(超電導リニア)の開発がスタートしました。1972年(昭和47年)に、鉄道開業100年の記念行事の一つとして行われた公開実験では、研究所構内の長さ480mのガイドウェイでML100が60km/hの浮上走行に成功しました。
宮崎実験線の建設が、1974年(昭和49年)から開始され、1979年(昭和54年)には、ML-500にて517km/hの当時の世界最高速度を達成致しました。その後ガイドウェイ構造を実用的な形状に改造して、MLU001、MLU002、MLU002Nの3車両に渡る各種走行実験を、1996年(平成8年)まで行い、その技術的成果は山梨実験線へと引き継がれました。また、この間の1987年(昭和62年)4月の国鉄分割・民営化に伴い、以降の超電導リニアの技術開発は、当研究所に承継されました。
山梨実験線の建設と走行試験状況
1990年(平成2年)に、「超電導磁気浮上方式鉄道技術開発基本計画」および「超電導磁気浮上方式鉄道山梨実験線建設計画」について、当時の運輸大臣から承認を頂き、これに基づき、JR東海および鉄道建設公団(現鉄道・運輸機構)とともに、を開始しました。
山梨実験線では、18.4kmの区間が完成した段階で、1997年(平成9年)4月から第一期走行試験が開始されました。技術開発の目標として、
@営業線500km/hに向けた最高速度550km/hまでの安定走行
Aピーク時間当たり片道一万人程度の輸送能力と定時性の確認
B建設コスト、運営コスト、生産コストの低減と採算性を踏まえたシステムの経済性の確保
を設定しました。
1997年(平成9年)12月には、3両編成車両を用いて、550km/hの当時の世界速度記録を達成し、5両編成でも、1999年(平成11年)4月に552km/hを確認しました。一方、3両2編成にて、1999年11月相対速度1,003km/hの高速すれ違い走行を確認しました。
この3年間の走行試験および技術開発成果について、2000年(平成12年)3月に運輸省(現国土交通省)の「超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会」(以下委員会)において、「長期耐久性、経済性の一部に引き続き検討する課題はあるものの、超高速大量輸送システムとして実用化に向けた技術上のめどは立ったものと考えられる」との評価を受けました。
2000年(平成12年)4月から第二期走行試験として、「信頼性・耐久性の検証」、「コスト低減」、「車両の空力的特性の改善」の課題を解決するために、実用化を目指した走行試験を継続しました。併せて、より高度な安全性・信頼性・耐久性の検証を行い、2003年(平成15年)12月には3両編成にて設計最高速度を超える581km/hを記録し、高速すれ違い走行についても2004年(平成16年)11月に相対速度1,026km/hまで確認しました。さらには、連続走行試験において、2003年(平成15年)11月に朝7時から夜9時まで走行し、一日の走行距離2,876kmを達成しました。走行試験開始から2005年(平成17年)3月末までに、累積走行距離は、434,000kmに達しました。
これら第一期、第二期8年間の走行試験成果に対して、2005年(平成17年)3月には同「委員会」から、「実用化の基盤技術が確立したと判断できる」との総合技術評価を受けました。
2005年(平成17年)4月からは、第三期走行試験として、さらなる長期耐久性の検証などを目的とした走行試験を継続するほか、さらなるコスト低減技術の開発や営業線適用に向けた設備仕様の検討などを進めています。
2006年(平成18年)12月には、同「委員会」が、2007年度(平成19年度)以降、概ね10年間において、進めることが妥当である走行試験を含む技術開発についての提言を行いました。これを受けて、上記「基本計画」と「建設計画」の変更を国土交通大臣に提出し、2007年(平成19年)1月に承認されました。
この主な内容は、まず、引き続き現行の基盤技術レベル仕様の長期耐久性を検証するとともに、2013年度(平成25年度)までに、山梨実験線全線を実用レベル仕様により建設します。さらに、実用レベル仕様走行試験用車両14両を製作して、2016年度(平成28年度)までに、実用化仕様レベルの長期耐久性検証、さらなるコスト低減のための技術開発、および営業線適用に向けた設備仕様の検討に必要な試験等を実施することとしています。
(C)Railway Technical Research Institute