1.新幹線用低コスト型セミアクティブサスペンション

 最近の新しい新幹線車両の一部には、左右方向の振動を抑制するセミアクティブサスペンションが搭載され、乗り心地の向上に寄与しています。新製車両への導入を容易にするため、低コストで現行と同等の性能を有する装置の開発を行いました。
 新しい装置では、新たに開発した比例リリーフ弁で圧力を直接制御することにより、可変減衰ダンパの油圧回路を簡略化し、またストロークセンサを不要にしました(表1、図1)。さらに、故障検出機能の付いた低価格の加速度センサの開発や、演算能力の大きなCPUを用いた制御装置の小型化・高性能化によって、現行より約40%低コストでありながら、3dB(乗り心地レベル)を超える乗り心地改善効果(図2)が得られるなど、安全性と性能の両面で現行と同等のレベルが実現できました。
 現在、耐久試験を実施しており、2002年度の実用化をめざしています。

図1 開発した装置
図2 乗り心地改善効果
(260〜270km/h走行時の車体左右振動加速度)


表1 現行方式と低コスト型の違い


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