4.底ばね定数有道床弾性まくらぎ

 軌道保守の省力化と振動低減を目的として、従来の弾性まくらぎより柔らかい(=ばね定数が小さい)有道床弾性まくらぎ(図1)の開発を行いました。ウレタンゴムの発泡率を上げたタイプ一種類と加硫ゴムを二重にしたタイプ二種類(平板構造および溝付き構造)の三種類(図2)について、繰返し載荷試験を行なった結果、道床沈下進み係数β(1千万トンあたりの沈下量mm)は、一般的な有道床軌道(PC3号まくらぎ軌道)に比較して、ウレタンゴムタイプおよび加硫ゴムタイプ(平板構造)は約1/2と良い結果を示しました。一方、加硫ゴムタイプ(溝付き構造)は約2.4倍でした。上記試験で良好な結果を示したウレタンゴムタイプ、加硫ゴムタイプ(平板構造)は、従来の弾性まくらぎに比べて、ばね定数がそれぞれ1/10および1/3となり、低ばね化が図られました。
 さらに、ウレタンゴムタイプの振動低減効果について、モータカーによる走行試験を行いました。従来型(低発砲率ウレタン)弾性まくらぎ軌道と比較すると、高架橋から4.6m離れた地点の振動レベルで3dB程度小さいことが確認され(図3)、振動低減効果が大きいことがわかりました。

図2 保護層付き2層弾性材構造

図1 有道床弾性まくらぎの構造

図3 高架橋から4.6m離れた地点での振動レベルの低減効果
(PC3号まくらぎを基準=0dB)



HOME
RTRI ホームページ

Copyright(c) 2003 Railway Technical Research Institute,Tokyo Japan, All rights reserved.