5.鉄道が発する電波雑音強度の測定評価法

 近年、電車の高性能化や電気電子機器の普及に伴い、放送通信への影響や、様々な電気電子システム間のEMCElectro Magnetic Compatibility:電磁的な両立性)が話題になっています。また、鉄道用EMC国際規格が、欧州地域規格を基に制定されつつあり(表1)、日本における適合性、評価手法の適否について、積極的な提案が求められています。そこで、鉄道総研では、電波雑音強度の測定・評価方法の研究を行いました。その結果、電気鉄道沿線や車両周辺の電磁的環境レベルを把握し、従来の電車に比べてインバータ搭載車両は、数MHzの周波数域での電波雑音強度が高い傾向にあることがわかりました(図1)。また、電波雑音強度の測定・評価方法の提案と測定・評価支援システムの開発(図2)を行い、鉄道用EMC国際規格案に反映させることができました。
 今後は、デジタル伝送に対する影響の評価手法の開発や、車内での電波環境の評価法の開発を行う予定です。

表1 審議中の鉄道用EMC国際規格案


図1 車上電力変換器が発する電波雑音
(各周波数における環境雑音強度を0dBとする)
図2 電波雑音の測定・評価支援システム



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