6.電気二重層キャパシタを用いた電力貯蔵システム

 直流電気車両の回生制動時に電力を充電し、力行時に放電することにより電力負荷の平準化、効率向上を図る電力貯蔵媒体の導入が求められています。そこで、急速充放電が可能で長寿命の特徴を持つコンデンサの一種である電気二重層キャパシタ(図1)を用いた、電力貯蔵システムの開発を行っています。システムの性能を確認するため製作したミニモデル(直流400V系)では、変電所が3相ブリッジダイオード整流器で模擬され、車両に相当するPWMコンバータは、任意の電流パターンで動作させる直流電源で模擬しました。力行は直流側から交流側へ電力を戻すことで、回生は交流側から直流側へ電力を供給することで模擬します(図2)。
 また、キャパシタが充放電したときの車両模擬のA点電圧(パンタ点電圧に相当)の変動では、車両の負荷が大きい時に電圧は大きく低下し、キャパシタが放電することにより電圧降下が軽減されること(図3)、電気二重層キャパシタが変電所の負荷平準化および回生電力失効対策としても有効であることを確認しました。今後はフィールドへの適用検討、貯蔵容量の評価などを行う予定です。

図2 電力貯蔵システム(ミニモデル)

図1 電気二重層キャパシタ

図3 車両電圧特性



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