11.PCB汚染物処理法

 PCBで汚染された金属や紙などの無害化処理は、溶剤洗浄や真空加熱法などの適用が検討されています。しかし、土壌やバラストを対象とした無害化処理の研究は行われていませんでした。このため、総研が開発した「PCB紫外線分解・生物処理法」をもとにしたPCB汚染土壌・バラスト処理法を考案し、その効果を検討しました。
 PCB汚染汚泥を処理する方法(図1)は、汚泥にイソプロピルアルコール(IPA)を添加し、遠心分離することで、汚泥中のPCBの大部分をIPA中に抽出し、紫外線分解と微生物処理して無害化します。現在、分離泥状物中に残る微量のPCBについても、PCB分解微生物の添加処理により完全に無害化することを目指して試験を行っています。
 PCBが付着したバラストの場合は、PCB分解微生物と連続的に接触させる循環処理方式(図2)を考案し、ベンチ試験(バラスト約5kgの処理)を行いました。その結果、この循環処理方式によってバラスト表面に付着したPCBを除去することが可能であることがわかりました。

図1 汚泥処理システム
図2 バラスト循環処理装置の概念図



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