4.鉄筋コンクリート構造物の地震破壊シミュレーション技術

 鉄道構造物には、兵庫県南部地震級の大規模地震に対して崩壊しないことが求められています。大規模地震に対する耐震性能の評価には、構造物の破壊に至るまでの挙動を精度良く求めることのできる解析ツールが有効です。
 そこで、新しい非線形構造解析法である応用要素法を用いて、鉄筋コンクリート(RC)構造物の地震応答を微小変形から大変形や崩壊領域まで一貫して解析できるツールを開発しました。解析結果は実際の破壊現象を具体的にイメージできるよう可視化できます(図1)。また、この解析ツールは耐震補強として多用されている鋼板巻立て工法の補強効果の評価(図2)や新しい耐震補強工法の開発のためのシミュレーション解析にも応用できます。これまでに、破壊実験や実地震被害のシミュレーション解析を通して、RC部材および構造体の破壊現象を追跡できることを確認しています。
 この解析ツールは、既設構造物の耐震診断や補強工法の選定、補強部材の優先順位の決定などをより効果的かつ経済的に行うための、地震対策選定支援ツールに利用することができます。




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