6.ステレオカメラによる踏切障害物検知装置

 従来検知対象となっていない歩行者、2輪車、車椅子なども検知できる新しい踏切障害物検知装置を開発しました。屋外の画像には、昼夜の明るさの変化、太陽光の強さの変化や影の出現、夜間の車のヘッドライト、雨や雪など、様々な外乱が発生します。そこで、ステレオカメラを用いて、このような外乱の影響を抑制して、人間が両眼で物体を見るのと同じように、物体の3次元形状を計測し、踏切上の障害物のみを検知します(図1)。屋外環境での検知率を向上するため、昼間の高照度環境でCCD素子に発生するノイズ(スミア)を防止する減光フィルタ駆動機構をカメラに付加しています。フィルタ挿入・取り外しは自動制御が可能です。さらに、シャッタ2段階制御機能を設け、長い露光時間と短い露光時間で交互に撮影を行い、暗い物体と明るい物体を同時に検知できるようにしました。本装置をJR営業線に仮設し(図2)、性能試験を実施したところ、自動車で昼間99%以上、夜間98%以上、また2輪車や歩行者でも97%以上の検知率が得られました(図3)。今後、検知論理の改善による検知率の向上を図るとともに、工事費込みのコストを、現状の光電方式以下に抑え、障害物検知装置として実用化を目指します。なお、本開発は国土交通省補助金を受けて実施しました。




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