3.低コストな鉄骨鉄筋コンクリート床版トラス橋の設計法

 比較的支間の長い橋梁には鋼トラス橋が採用されることが多く、また近年は騒音低減のため、軌道を支える床版に鉄筋コンクリート(RC)が用いられています。床版を鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)構造にすると、桁の高さを低く抑えることが可能になります(図1)。初めてこの構造を採用した橋梁では、橋梁前後の軌道扛上が省略でき、また従来形式に比べて鋼材重量が約4割削減できるなど大幅な工事費の低減を実現しました(図2)。
 この構造では、コンクリート床版に目地を設けることができないため、有害なひび割れが発生し易くなります。ひび割れの発生を抑えるためには、コンクリートに鋼繊維を混入するとともに、実験的な検証が必要になります。そこで、比較的簡易な解析法を利用する設計法を開発しました。開発した設計法では、従来無視していたコンクリートの引張領域の荷重分担効果を解析モデルに取り入れており、ひび割れの進展や、ひび割れ発生時における鋼材分担力の変化を良好に模擬することができます(図3)。これにより今後大規模な実験的検証を省略できます。
 開発した設計法は「鋼繊維補強SRC床版設計マニュアル」としてまとめており、今後の設計業務に広く活用されることが期待されます。






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