5.まくらぎ直結バラスト軌道

 立体交差化等を行う箇所の軌道構造には、省力化と環境対策の観点から、弾性まくらぎ直結軌道(弾直軌道)が採用されています。しかし、この軌道は、防振スラブ軌道に比べて建設費が高いこと、路盤部分等の施工性が劣ることが欠点でした。そこで、新たにまくらぎ直結バラスト軌道(図1)を開発しました。この軌道は、弾直軌道と有道床軌道の長所を取入れたもので、まくらぎ下パッドと滲み出し式可変パッドを用いて路盤に軌きょうを接着することにより軌きょう全体を弾性支持するとともに周囲にバラストを散布して水平荷重を支えるものです。これにより、振動と騒音の低減が図れるとともに路盤工の配筋作業が簡素化され、1割程度の建設費削減が期待できます。また、通常行っている軌道整正作業は必要ありません。
 振動および騒音低減効果の確認を行うために、試験用高架橋上に試験軌道を敷設してモータカーを用いて振動および騒音の測定を行いました。その結果、まくらぎ直結バラスト軌道は高架橋裏中央部の振動加速度レベルが、隣接して敷設したスラブ軌道と比べて7dB程度小さいことから、構造物騒音の低減効果が期待できます。また、高架橋離れ2.6m地点の振動レベルは、スラブ軌道と比べて6dB程度小さく(図2)、振動を低減することができます。






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