2.高性能な新幹線用防音壁

 新幹線用の防音壁として効果的な形状を探るため、34種類の形状の防音壁について、1/20縮尺模型を用いた実験を実施しました。実験では、新幹線の主な音源である車両下部騒音および集電系騒音を模擬して、軌道中心位置に線音源装置を、パンタグラフ位置に点音源装置を設置し、それぞれの音源に対する低減効果および全体音に対する効果を評価しました。その結果、Y型に類する防音壁形状が、車両下部騒音に対して二重回折による防音効果増に加え、集電系騒音に対する外壁張り出し部分の遮蔽効果も大きく、騒音の低減に効果的な形状であることがわかりました(表1)。敷地境界等の制約により防音壁を外側に張り出でせない場合は、変形Y型が有効ですが、その場合は集電系騒音に対する効果はなくなります。
 また、これまでの防音壁や吸音材では難しかった低周波数域の騒音低減対策として、音響管を防音壁先端部に配置する方法を試みました。この方法は、1/4波長音響管の開口部音圧が共鳴時に非常に小さくなる性質を利用して、防音壁先端の音圧を低周波数域でゼロに近づけるもので、模型実験の結果から、車両下部騒音に対して、1kHz以下の周波数域で騒音低減効果が得られることを確認しました(図1)。
 今後は、これらの方法の騒音低減効果を現車で確認する予定です。




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