6.経年レールの寿命評価方法

 ロングレールについては、通過トン数に基づく交換周期が各レール種別ごとに定められています。新品の50kgNおよび60kgレールの溶接部について疲労試験を実施して寿命推定を行い、交換周期延伸の可能性を提言しました。
 本研究では、営業線のレール溶接部を対象にして累積通過トン数が1.4〜8億トンに達している経年レールを収集し、それらの疲労試験を実施し、図1に示すようなS−N曲線を取得しました。このS−N曲線は経年履歴を考慮しており、新幹線のレールでは通過トン数が3.8億トンからの、在来線のレールでは5.4億トンからの余寿命を表すものとなっています。このS−N曲線を用いて余寿命の推定を行った結果、図2に示すように0.1mm/億トンのレール削正によりレールの交換周期が現行の基準より2億トン程度延伸できることが確認されました。
 また、腐食環境の厳しい海底トンネル内では、経過年数による更換周期が定められています。そこで、海底トンネル内の腐食レールを収集して疲労試験を実施し、レール底面の最大凹凸量で区分したS−N曲線を推定しました。その結果より腐食状況と余寿命の関係を検討し、交換周期延伸の可能性を明らかにしました。


図1 経年レールの推定S−N曲線

図2 経年レールの寿命推定結果




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