4.個別的旅客案内システムの情報基盤の共通化と有用性の検証

 鉄道旅客に対する情報提供は、掲示板的で不特定多数に対するものがほとんどです。しかし利便性の向上には、利用者の特性や状況にあった情報を、その利用者に適した方法やヒューマンインタフェースによって、個別的に提供することが望まれています。この考え方はバリアフリーという視点だけでなく、列車運行の乱れがあった場合などの情報提供手段としても有効です。
 視覚障害者向け情報提供システムを拡張し、駅から道路までシームレスに案内できるシステムを開発しました。駅および周辺道路において長期の評価試験を実施し(図1)、利用者の習熟度の向上に伴う移動時間の短縮、心理的負担の軽減等を確認しました。一方システムへの過剰依存は確認されませんでした。
 また、無線タグの技術をベースにした新たな位置の同定方式およびXML言語で記述した利用者用案内データに基づき、視覚障害者を含んだ多様な利用者が共通に利用できる情報インフラと携帯端末の実現方式をはじめて考案しました(図2)。さらに実験システムを試作して、基本機能を検証しました。
 鉄道空間と道路空間とのシームレスな案内環境を実現するために、鉄道でも道路でも共通に利用できる地図データの記述方式を策定しました。この地図データは上記の利用者用案内データのベースとなるものです。
 なお、本研究は国土交通省補助金を受けて実施しました。


図1 情報提供システムの評価試験

図2 個別的旅客案内システムの情報基盤の共通化




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