5.鉄道利用者のマナーの向上策

 鉄道利用時の迷惑行為に起因するトラブルや苦情が社会問題としてクローズアップされています。このため、アンケート調査(利用客約3500人)による実態や要望の把握と対策案の検討、および、モニター調査(利用客約80人)による対策案の効果の評価など、実態の把握と対策案の検討および評価を実施しました。
 モニター調査では、対策案の1つとしてマナーポスターの情報提示内容に着目し、アンケート調査の結果を付記した「データ付きポスター」について7つの迷惑行為(暴力、ゴミのポイ捨て、車内での携帯電話使用、ドア付近での滞留、割り込み乗車、車内での化粧、車内での床座り)を代表例として効果の評価を行いました。その結果、犯罪や暴力のようにメッセージなしでもポスターの主張が明白である行為、ポスターに示された数値に意外性がある行為について有効性が確認されました(図1)。また、データ提示の方法として迷惑度の順位を示す方法も有効性が確認されました。
 さらに、新たな対策案として、@データ付きポスター、A車内(もしくは車体)を利用した一斉広告、B被害を受けた人の声の活用(その人の声そのものを車内で放送する等)、C迷惑である理由の説明(ポスター等)、Dマナー川柳を提示し、5つの観点から評価しました。その結果、被害を受けた人の声の活用が全ての観点で評価が高く、効果が期待できることがわかりました(図2)。


主張が明白な
「暴力行為の迷惑度」

男女差に意外性があった
「化粧の迷惑度」

図1 モニター評価で有効性が認められた
データ付きポスターの例
図2 5つの観点による対策案の評価結果




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