3.速度向上にともなう地盤振動の影響評価方法

 新幹線の速度向上による沿線地盤振動への影響を評価する方法を考案しました。一般に地盤振動は列車速度のべき乗則で増加しますが、べき乗係数は場所によってばらつきます。これまで、東海道・山陽新幹線では約3乗則、東北・上越新幹線では約2乗則で、振動レベルが速度とともに増加すると想定していました。しかし、近年、振動レベルが約6乗則で急増する特殊な場合のあることが確認されました(図1)。
 そこで、過去に実施された速度向上試験結果等をあらためて分析し、速度べき乗係数と地盤条件との関係を詳細に検討しました。その結果、速度べき乗係数は表層地盤の振動増幅特性に依存することが明らかになりました。さらに、この関係を定量的に評価するため、表層の平均N値(地盤の固さを表す指標)と厚さからその場所の地盤振動の速度べき乗係数を簡易に算出する方法を考案しました。
 この方法によって、新幹線の地盤振動の速度べき乗係数を試算すると、概略的には、表層の平均N値が小さく厚い軟弱な地盤ほど速度べき乗係数が大きくなることが分かりました(図2)。


図1 速度向上による振動レベル増加例
 

図2 表層の平均N値と厚さをパラメータとした速度
べき乗係数の試算例



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