4.パンタグラフ舟体からの空力音低減手法

 低騒音パンタグラフの開発を効率的に推進するため、舟体形状を解析的に決定する方法の導入が望まれています。そこで、空力音の低減と安定した揚力特性とを両立し得る舟体断面形状を解析的に得る手段として、流体シミュレーションと最適化手法を組み合わせた設計手法を提案しました。図1は、迎角変化やすり板形状の変化(新品、摩耗)に対する舟体揚力の変動範囲が最小となるように形状を最適化した例を示したものです。また、図2ではその空力音特性を風洞実験により調べた結果を示しています。現行パンタグラフと同等の揚力安定性を有しながら、5〜10dBの大幅な空力音低減が実現しました。
 さらに、揚力をより積極的に制御する手法として、舟体表面から噴流を吹出す方法について検討を行い、300km/hにおいて静押上力の半分程度の制御力を確保することが可能であることを確認しました(図3)。


図1 最適化手法により求めた舟体形状例(狭帯域音抑止用の貫通穴を付加)


図2 最適化舟体の空力音特性

図3 噴流吹出しによる揚力制御手法



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