5.流れと空力音源の数値シミュレーション法

 実験では捉えることが困難な高速流れの中の詳細な空力音源分布を得るため、流れと空力音源の数値シミュレーション法を開発しました。
 図1は、パンタグラフホーン周りの空力音源の分布を数値計算で求めた例です。パンタグラフホーンに間欠的な穴を開けることで、同じ強さで位相が180度異なる音源が近接して分布し、互いに打ち消しあうことによって、空力音が低減するメカニズムが解明できました。本手法は、大型低騒音風洞による実験手法を補完するものです。
 図2は、パンタグラフ舟体周りの流れ場と音源分布の計算例です。舟体各部の形状が強い渦を生成し、揚力に影響を及ぼすメカニズムが明らかになりました。また、流れの時間変動が大きくなっている箇所で、強い音源が形成されていることがわかりました。これらの知見は、低騒音化のための形状改良を行う上での重要な指針となります。
 本数値シミュレーション法は、集電装置だけではなく、様々な車両部位から発生する空力音に対する低減策の検討や模索にも役立ちます。

図1 パンタグラフホーン周りの空力音源の計算結果



(a)流れ場
 

(b)音源分布
図2  パンタグラフ舟体断面周りの流れ場と音源分布の計算結果



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