6.在来線の車輪種別と転動騒音

 最近の在来線車両には、沿線住民や利用者への配慮から騒音低減対策が施され、従来主音源であった主電動機等の騒音が小さくなってきています。その結果、転動騒音の寄与が相対的に大きくなってきています。
 そこで転動騒音低減策をたてるにあたって、音源を精度良く探査する方法を提案しました。これは、マイクロホン配列型楕円体収音装置により騒音の可視化を行う方法です(図1)。その結果、在来線電車の転動騒音は主に車輪部から放射され、特にNA形波打車輪から発生する音がA形板車輪に比べて2dB程度大きいことがわかりました。その騒音を増加させている周波数帯は、1.25〜2kHz帯にあることも測定と解析で明らかになってきました(図2)。これは、軽量化のために波打車輪の車輪板部が板車輪に比べ薄くなっていることや、リム部とボス部への付根のオフセットが大きいことなどのため、走行中の車輪リム部への径方向(垂直方向)加振に対して、車輪が振動し易くなっているためと考えられます。今後、振動しにくく、放射音の少ない低騒音車輪の検討を進めていく予定です.


図1 在来線電車付随台車部の
音源分布(速度=108km/h)

図2 アレイ装置による転動騒音の
周波数分析(速度=110km/h)



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