8.車両内における電波雑音の測定法

図1 高感度3軸光電界センサ

 鉄道システムが外界に放射する電波雑音の測定法については、既に標準的な手法があり、国際規格も定められていますが、車両内の電波雑音に関しては、適切な測定機器が無く、測定方法も確立されていませんでした。
 しかし、近年の駆動方式の発展とIT技術の導入、電磁環境に関する規格化の要請に対し、車両内の電波雑音の測定法を確立する必要性が高まってきています。そこで、車両内に適した測定器として、小型・広帯域の特徴を持つ光電界センサ(図1)を高感度かつ3軸化(垂直+水平2方向)して電波雑音の測定に適用する方法を開発しました。
 高感度3軸光電界センサと実時間で周波数解析が行える測定器とを組み合わせ、通勤型および特急型の車両内で測定を試行した結果、車両内における電波雑音の周波数特性の時間変化を測定でき、放射方向なども把握できることを確認しました(図2)。これらの特性を測定し、強度分布を把握することにより、車両内の電磁環境を整えるために有効な対策の検討と実施が可能となります。本研究の成果は、今後の車両内における電波雑音の測定法の部内標準として活用する他、将来規格審議が開始された際の日本意見の土台としても活用される予定です。
 なお、本研究は国土交通省補助金を受けて実施しました。


図2 インバータ制御車両内における電波雑音の周波数特性の時間変化



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