2. 周辺地盤との相互作用を考慮した既設基礎構造物の耐震性評価法
・周辺地盤との相互作用を考慮した既設基礎構造物の耐震評価法を提案しました。
・基礎の耐力を従来法よりも最大60%程度大きく見込める可能性を示しました。
・近年発生した地震に本手法を適用して被害原因を究明しました。

 地震時に構造物が振動すると、周辺地盤との相互作用により地盤から様々な抵抗を受けます(図1)。これまで、地震被害データの不足や解析技術の制約により、A〜Dの評価方法は確立されておらず、これまでの耐震評価法では、安全側の配慮からこれらを考慮していませんでした。しかし、大地震を想定した場合には、基礎の補強が必要と判定されるケースが増えてきました。本研究では,基礎と周辺地盤の相互作用を詳細に評価することにより、既設基礎構造物の耐震性を従来法よりも忠実に評価できる手法を提案しました。
 そこで、地盤と基礎の接触条件や地盤条件に応じて、フーチング底面のせん断摩擦抵抗、フーチング前面抵抗、柱の前面抵抗、地中梁の前面抵抗をモデル化する手法を三次元解析等により開発しました。提案モデルを用いて、橋梁および高架橋の耐震性能の試計算を行いました。その結果、図2に示すように、地盤条件が良好な場合は、基礎の現有耐力が20%〜60%程度大きく見込めることが分かりました。
 三陸南地震で地震動を受けた高架橋の杭基礎を対象として、耐震性評価法を検証しました。掘削調査の結果、柱はせん断破壊しているものの杭は無損傷でしたが、従来法では杭基礎がせん断破壊するという結果になりました。しかし、本手法を適用すると、柱のせん断破壊が先行し、杭基礎は損傷しないという結果になり、調査結果と整合しました。






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