1. 赤外・可視融合画像によるコンクリート診断システム
・コンクリートの剥離・剥落に対応する構造物診断システムを開発しました。
・明かり区間構造物の場合、被りコンクリートの剥離を非加熱で判定できます。
・レーザー測距機能により、クラック長、浮きの面積を自動算定できます。

 材料劣化や施工不良に伴うコンクリートの剥離・剥落の調査は、通常、打音検査により行われていますが、作業者の聴覚と経験に依存すること、対象構造物が多いこと、高所作業となること等、多くの課題を抱えています。このような背景から、新たに簡易で高精度なコンクリート診断システムを開発しました(図1)。
 既に市販されている赤外線・可視カメラ併用の撮影システムでは、画像処理の煩雑さや画像精度の低さ等、課題が残されていました。そこで、鉄道総研では「高精度処理画像のリアルタイム出力」、「変状部の定量化」、「現場業務に即応した診断システム」を目標に開発を行ってきました。以下に開発したシステムの特徴を示します。
  1) 高感度赤外線カメラを用いることで、明かり区間構造物における被りコンクリートの変状は、ヒーターやキセノンランプ等による加熱を必要とせず、一日の気温の変化の中で判定可能(図2)。
  2) カメラの角度測定機能およびレーザー測距機能を付加することで、変状箇所の長さ、面積、位置情報が離れた位置から算定可能。
  3) 赤外・可視融合画像の高精度処理により、現場でリアルタイムに変状分析が可能。
 なお、通常の被りコンクリートより深い位置の欠陥を検出する場合は、加熱法を採用することで、本システムの適用性を拡大することができます。
 本システムにより、コンクリートの剥離・剥落の診断を効率的に行うことができるようになり、第三者災害に対する安全性の向上が期待できます。




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