6. スラブ軌道トンネル内における圧縮波の伝播特性の解明
・トンネル内を伝播する圧縮波の詳細な変形の過程を明らかにしました。
・数値計算により圧縮波の変形を予測できるようになりました。

 高速鉄道における環境問題の一つであるトンネル微気圧波の大きさは、列車のトンネル突入により生じた圧縮波のトンネル出口での波形により決まります。したがって、トンネル微気圧波の現象解明および低減対策法の検討のためには、圧縮波のトンネル内伝播過程における変形を把握することが重要となります。
 そこでスラブ軌道トンネル内を伝播する圧縮波の変形を定量的に把握するために、長さ約26 kmの長大スラブ軌道トンネル(現時点で世界最長の陸上トンネル)内を伝播する圧縮波に関する現地測定を実施するとともに、予測手法を開発するために数値計算を行いました。本数値計算は、圧縮波の非線形効果、壁面の摩擦・熱伝達を考慮に入れた一次元圧縮性流れの解析とトンネル内に設置された枝坑(器材坑、斜坑など)の効果に関する音響学的解析を組み合わせたものです。
 営業線での現地測定結果は、図1に示すように、圧縮波の波面は伝播の初期段階で急峻化し、その後緩やかになる過程が明らかになりました。また数値計算結果は測定値と良く一致し、本数値計算手法の妥当性が確かめられました。
 今後は本数値計算手法を、トンネル微気圧波の予測手法に組み入れるとともに、新たな微気圧波低減対策法の開発に活用する予定です。




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