8.現行ATSと互換性のある車上速度照査式ATSシステム

・現行ATSシステムと互換性を確保し、車上速度照査機能を持つ低廉なATSシステム(ATS-X)を開発しました。
・ATS-XのJR7社共通機能仕様を「基本システム解説書」としてまとめました。

 現行のATS-Sx(SN,ST,SW等)では、乗務員による確認扱い後は自動列車停止機能が解除され、その後の運転誤りに対しては防護できないという問題を抱えています。また、福知山線列車脱線事故を契機として、曲線部等での速度超過防止対策が求められていますが、ATS-Sxでは、その制御に限界があります。これらの問題を解決するため、現行ATS-Sx機能に車上−地上間デジタル情報伝送機能を付加し、車上速度照査の実現により保安度を高めた新しいATSシステム(ATS-Xと仮に呼んでいます)を開発し(図1)、試作装置(図2)を用いた現車試験により実用性を検証しました。
 さらに、JR7社と共同検討体制を構築し、会社間相互乗り入れ時の運用性を考慮したJR7社共通機能仕様の策定を行い、以下の項目に関して「ATS-X基本システム解説書」として取りまとめました。
  (1) ATS-Xの機能概要
  (2) 車上速度照査の制御方式と照査パターン形状
  (3) 車上−地上間情報伝送の電気的仕様と情報内容フォーマット
  (4) 必要となるマンマシンインターフェイス関連機器と動作概要
 今後3年以内で、本仕様に基づいた実用システムの完成を目指します。




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