1.地盤拘束圧の効果を導入したRC杭の変形性能評価方法

・RC杭は地盤の拘束圧により変形性能が高まることを実験的に解明しました。
・地盤の拘束圧の効果を導入したRC杭の変形性能の算定法を提案しました。
・計算では、約5〜10%のコスト削減が可能であると推定しました。

 地震を受けた高架橋について、現在の評価法を適用すると、RC杭が損傷していると判定されたものの、実際に掘削して調査をすると、無損傷であったという事例がありました。このような相違が生じる原因を明らかにするために、@拘束圧を変化させたRC供試体の圧縮試験、および、A拘束圧を変化させた地盤−RC杭基礎系の載荷実験を行いました。その結果、RC杭は地盤中に埋設され、常に周辺の地盤から拘束圧を受ける(図1)ことから、通常のRC部材のように、帯鉄筋に粘り強さが発揮される効果に加えて、地盤からの拘束圧でコンクリートが拘束される効果により、RC杭の強度および変形性能が高まることを明らかにしました(図2)。また、RC杭の損傷箇所が1箇所に集中せず分散するために、損傷程度が低減されることも確認しました。
 次に、上記のメカニズムを基に、地盤の拘束圧の効果を導入したRC杭の変形性能評価方法を提案しました(図3)。地盤によるコンクリートの拘束圧を帯鉄筋による拘束圧に換算した上で変形性能を評価する方法であり、実験結果と比較して、妥当性を検証しました。また、試計算の結果、これにより、変形性能が10%程度向上し、コスト削減が可能であることが分かりました。
 本成果は平成17年度から改訂作業が開始された新しい耐震設計標準に反映され、現場への普及が図られる予定です。なお、本研究は国土交通省補助金を受けて実施しました。





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