2.長時間使用可能な寒冷地用後部標識灯の開発

・現用標識灯に比べて連続使用時間は3倍以上、重量は3割減の寒冷地でも長時間使用可能な後部標識灯を開発しました。

 寒冷地における貨物列車の最後尾には降雪時の視認性を確保するため充電池と凍結防止ヒータを内蔵した後部標識灯が使用されています。現用標識灯の連続使用時間は−20℃において30時間であり、長距離貨物列車の増加や省力化の面から、長時間取り替え無しで使用可能な後部標識灯が求められています。そこで連続使用可能時間96時間(−20℃)を目標にし、小型軽量化、保守性といったことについても配慮した後部標識灯を開発しました。
 リチウムイオン電池と超高輝度LED、DC-DCコンバータを組み込んだ新標識灯(図1)は、重量が3割、奥行きが50mm減少し(図2)、−20℃下において120時間の連続使用が可能になりました。本線試験(図3)でも問題のないことを確認しました。電池の経年劣化を見込んでも100時間以上の使用が可能です。これは北海道から九州までの距離を取り替えずに一往復できる時間に相当します。さらに、充電時間の半減、リフレッシュ放電や補液充填の省略、横置きが可能になりました(表1)。
 価格は現用品の2倍程度と想定していますが、連続使用時間が3倍に延びることにより、標識灯の保有個数が大幅に削減できること、取り替え・保守の人件費節約や停車時間が減少する効果もあるため、トータルコストは減少すると考えられます。

 



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