7.有道床軌道の低コスト噴泥対策

・細粒土混入バラストを緩めない軌道整正方法を開発しました。
・低コストかつ低環境負荷の既設道床の強度低下防止方法を開発しました。

 有道床軌道の噴泥対策としては、これまで、路盤改良や噴泥シート工法等が推奨されてきましたが、コストや施工性などの問題から最近では適用が難しい場合が少なくありません。そこで、低コストな噴泥対策として、薬剤等の散布により軌道の強度を向上させ、噴泥を防止する方法が注目されています。しかし、道床バラストを過度に固結させると、通常の軌道保守に問題が生じる恐れがあるだけでなく、使用する薬剤の種類によっては環境汚染や廃棄物処理問題が生じます。そこで、これらの課題を踏まえた上で、
 (1)まくらぎ下に粒状充填材を空気圧で充填して軌道整正を行う方法
 (2)生分解性ポリマーを用いて既設道床の滞水時における強度低下を防止する方法
を開発しました。
 (1)の軌道整正法については、試験施工を行い、細粒土混入バラストを緩めることなく粒状充填材をまくらぎ下に充填し、簡易に軌道整正が行えることを確認しました(図1)。
 (2)は、細粒土混入バラスト中の細粒土をポリマーで難流動化することにより、滞水時の道床の強度低下を防止する方法であり(図2)、実物大模型試験によって滞水時でも道床沈下がわずかであることを確認しました(図3)。本工法は、施工後も通常の軌道保守が可能で、道床交換等の際は一般残土としての処理が可能な、低コストかつ低環境負荷の工法です。
 今後はこれらの工法の適用条件について深度化を図り、実用化を進める計画です。




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