9.バラスト・ラダー軌道による急曲線ロングレールの適用範囲の拡大

・温度変化に伴う軌道の座屈挙動を評価できる有限要素解析ツールを作成しました。
・急曲線ロングレールにおいて、バラスト・ラダー軌道の座屈安定性が高いことを確認しました。

 バラスト・ラダー軌道(図1)は、軌きょう剛性が高く道床横抵抗力も大きいことから座屈安定性が極めて高く、急曲線区間におけるロングレールの適用範囲拡大が期待されます。しかし、横まくらぎ軌道を対象とした既往の軌道座屈挙動解析ツールでは、バラスト・ラダー軌道の座屈安定性を評価することは不可能でした。そこで、バラスト・ラダー軌道を3次元有限要素により詳細にモデル化し、温度変化に伴う軌道の変形・座屈挙動を評価できる解析ツールを作成しました。
 本解析ツールを用いて急曲線ロングレール区間の挙動について横まくらぎ軌道とバラスト・ラダー軌道の比較を行いました。その結果、横まくらぎ軌道では曲線半径が小さくなるとともに座屈の危険性が高まりますが、バラスト・ラダー軌道では、曲線半径200mにおいても座屈の兆候は全く見られませんでした(図2,3)。また、温度変化に伴うレールの線路直角方向変位は、温度変化量40℃の場合でも1mm程度に収まることが分かりました。そして、これらの結果を基にロングレールの適用範囲の拡大、敷設条件等に関するマニュアルを作成しました。





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