新幹線の高速化に伴い、集電電流増加、離線アーク増加等により、すり板の摩耗量が大幅に増加すると予想されます。超高速域で実用できるすり板材質の開発には、超高速域での離線アークを伴う条件での耐摩耗性(耐アーク性)の向上が必要です。
耐熱性に優れた硬質金属成分による耐アーク性の向上および、超高速域における潤滑性能の向上をめざして、鉄系焼結合金すり板材質を試作・開発しました。
高速用集電材摩耗試験機(図1)を用いた400km/h域での通電状態における試験台試験では、耐熱・硬質金属成分としてタングステン系成分を配合することにより、コストが4倍程度となるものの耐アーク性が大幅に向上し、現用材質を上回る耐摩耗性が実現可能であることが確認できました(図2)。
今後は、試作・開発したすり板の実車での性能および試験台試験でトロリ線への影響を調査する予定です。
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