4.省エネルギー化を目的とした電車の制御方法の改良

・交流電車の主変換装置の制御方法を改良しました。
・走行試験の結果、編成で約1%の電力消費量の削減を確認しました。

 従来、高速域では効率が低い状態で主電動機を制御していることがありましたが、電力消費量を低減するために、既存の電車を対象に、主電動機の制御方法の改良案を提案しました。
 駅間の走行で力行加速が終了し、最高速度(速度制限)付近で力行と惰行の繰り返しによる等速運転を行っている場合、中間ノッチを使用して運転することが多くあります。このような場合、主回路機器は効率が低い状態で運転されています。そこで、編成中の主変換装置を対にして、中間ノッチ使用時は片方を大出力で制御し、もう片方を停止するという手法(図1)を考案しました。言いかえると編成中の電動車を対にして、片方の電気機器を最大出力に近い運転、もう片方を惰行で運転するということになります。その結果、動作している主回路機器の効率が上がり、列車の電力消費量の削減になります。
 この制御方法を在来線交流特急電車(5両編成・3M2T)に適用して走行試験(走行距離42.8km、停車駅数2駅)を行った結果、走行に要した電力消費量は編成全体でおよそ1%低減し、制御方法の有効性を確認しました。既存の電車に適用する場合には、主変換装置間の制御指令線追加や主変換装置の制御ソフト変更等の改造が必要になります。この制御方法は上記の在来線交流特急電車において実用化されました。




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