10.剛体電車線とカテナリ架線の移行構造
  • トンネル内外の剛体電車線とカテナリ架線間の、新しい移行構造を開発しました。
  • 従来30m程度の移行部分の長さを10m程度に短縮できる見込みが得られました。
  • 速度130km/h程度まで安定した集電特性が得られることを確認しました。
  •  在来線の小断面トンネルでは、集電性能が劣る特殊なカテナリ架線が採用されている場合が多く、保守に手間がかかり、設備上の要注意箇所になっています。一方、剛体電車線は設備の信頼性が高く省メンテナンス性にも優れているため、トンネル内の新たな電車線方式として注目されています。
     剛体電車線をトンネル内の電車線として導入した場合、トンネルの出入り口でカテナリ架線との移行部分を設ける必要がありますが、現在の構造は複雑で、パンタグラフの離線や電車線部材の疲労の原因となる振動が発生し易く、また、支持物が数多く必要で建設コストの上昇を招くことなどの欠点があります。
     このため、剛体電車線とカテナリ架線の新しい移行構造を考案し、集電試験装置に架設して走行実験を行いました。従来の構造は、カテナリ架線と剛体電車線を二重に設備する区間を設けたオーバラップ方式でしたが、新しい構造は、カテナリ架線と剛体電車線のトロリ線を一体化することにより簡素化し、従来30m程度必要であった移行部分の長さを10m程度に短縮しています(図1)。この構造は、パンタグラフ移行時の離線時間やトロリ線のひずみを目安値である20msや500μより低く抑えることができます(図2)。この特性により、最高速度が130km/h程度までの線区で実用化することが可能です。




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