河川増水時の橋脚基礎の洗掘被害を防止するため、橋梁構造物に対して検査が行われ、改修等の措置の要否が判断されます。橋梁構造物の検査では、洗掘要注意橋脚の抽出は現場技術者の判断に委ねられているため、抽出漏れの可能性が指摘されています。そのため、要注意橋脚を確実かつ効率的に抽出する手法が求められています。
そこで、洗掘要注意橋脚を選定する手法として、採点表とその適用マニュアルを作成しました。採点表は、全般検査で用いる一次抽出用の採点表(表1)と、個別検査で用いる詳細検査用の採点表で構成されています。全般検査では、河川に関する高度な専門知識を必要とせず、採点表をもとに目視調査を中心に河川条件や構造条件など10項目で評価します。本評価手法では、専門技術者の判定をもとに、合計点が110点未満を要注意橋脚としました(図1)。詳細な検査では、全般検査で抽出された要注意橋脚について、橋りょうの構造条件や河川条件、出水履歴などの項目(表2)についての詳細な情報を基に、洗掘や河床低下の進行速度を推定し、将来にわたる橋脚基礎の安定性を評価します。
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