5.無線センサネットワークを用いた軌道・路盤変位監視システム
  • 無線センサネットワークを用いて、線路近接工事等に伴う軌道・路盤変位の監視等に活用でき、従来の1/2以下のコストで構築可能なシステムを開発しました。
  • 近年、線路脇や線路下の掘削を伴う線路近接工事が行われる機会が多くなっており、工事に伴う路盤および軌道の異常変位を自動的に監視するシステムがいくつか提案され実用化されています。しかし、高精度な監視システムはいずれもコストが高く、設置に手間が掛かるため、小規模な工事には手軽に使用できません。
     そこで、無線センサネットワークを用いた、従来の1/2以下のコストで構築可能で高精度な軌道・路盤変位の監視システム(図1)を開発しました。本システムでは、軌道延長方向と軌道横断方向の2方向のレールの傾きを測定する複数個の無線センサユニット(図2)を、強力な磁石を用いた簡易な治具でレールに取付けて軌道の変位分布を測定します。
     本システムは、ワイヤーや梁などの補助治具が不要なので、従来のシステムと比較して軌道保守作業への影響が低減されます。各ユニットにはレール温度センサが内蔵されており、軌道の座屈に対して影響が大きいレール温度も監視することができます。さらに、簡易なインターフェースソフトによって現場作業者が手軽に使用することができ、イーサネットを介して遠隔操作も可能です。
     実物大軌道模型に無線センサユニットを取り付けて、100万回の列車荷重を載荷する耐久性試験を実施した結果を図3に示します。無線センサはAレールのみに取り付けられていますが、AB両レールとも測定値は正確であることがわかります。すなわち、本システムは100万回の列車荷重による振動を受けても正常に動作し、監視システムとして十分な性能を持つことが確認できました。




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