トンネル覆工内面に導電塗料を塗布することにより回路を形成し、回路端子での導通・絶縁状態から0.6mm以上のひび割れ発生を検出することができます(図1)。導電塗料を図2のトーナメント型に塗布すれば、各端子間の導通・絶縁状態を電気抵抗測定器で測定することにより、導通・絶縁のパターンからひび割れ発生位置を同定することが可能です。
さらに、本システムでは、覆工に生じ
たひび割れの進行を、大掛かりな配線をすることなく無線センサで監視できます。図3に示すように、ひび割れ変位計や導電塗料などの計測器に無線センサを取り付け、測定データを路盤部に設置した受信機を経由してトンネルの変状監視システムに伝送することによりひび割れ監視ができます。無線センサの到達距離は約10mですが、覆工内面の配線が不要なため、計測機の設置コストを縮減できます。
これらの技術を組み合わせることにより、ひび割れの発生・進展が懸念されるトンネル覆工の変状監視を、適切に行うことができます。
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