エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)の改正で、車両を300両以上保有する鉄道事業者には、低燃費車両の導入、エネルギー使用量やCO2排出量の定期報告など、環境への取り組みが求められています。
省エネルギーを検討する際に、運転条件等の違いによる燃料消費量の増減は、実際に走行しなければ分かりませんでした。そこで、運転曲線作成ソフトから得られる走行データを用いて、燃費特性を示すエンジン性能データなどから、走行に必要な燃料消費量や排気されるCO2排出量などを推定する計算システムを開発しました(図1)。
本システムは、これらの計算結果を表示する機能と、燃料消費量などの変化を時系列で描画するグラフ作成機能を持ちます(図2)。走行試験で燃料消費量などを測定し、実測値と計算値の比較からシステムの妥当性を検証しました。運転時分が約29分、力行時間が16分の走行事例では、燃料消費量の実測値が19.3l、計算値が21.8lと概ね一致していました。本システムは、燃料の削減など省エネに有効な対策方法の検討や排ガスなど環境面を配慮した車両設計に活用できます(表1)。
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