4.多孔質材の貼付によるパンタグラフ空力音の低減手法
  • 多孔質材の貼付によるパンタグラフ空力音低減手法を開発しました。
  • 風洞試験で本手法を評価した結果、空力音が1〜3dB低減することが分かりました。
  • 高速車両の空力音低減を図る手段として形状平滑化が有効であることは広く知られていますが、パンタグラフのように空気力の影響を強く受ける場合には形状平滑化と空力特性安定化とが両立しない場合が多く、空力音の大幅低減は重要な課題となっています。そこで、部材表面に多孔質金属材(図1)を貼り付けることによりパンタグラフ空力音低減を実現する手法を開発しました。
     多孔質金属材と同等の空力音低減効果を持つ多孔質樹脂材を貼り付けた新幹線用パンタグラフを用いた風洞試験では、1〜3dBの空力音低減効果があることを確認しました(図2)。また、接着とリベットの併用による多孔質金属材貼付方法を考案し、実用上十分な貼付強度を有していることを確認しました。さらに多孔質金属材を貼り付けた新幹線用パンタグラフ(図3)の現車走行試験を実施し、多孔質金属材貼付による空力音低減効果を確認するとともに、多孔質金属材の貼付が集電性能に対して悪い影響を与えないこと、数ヶ月にわたる走行試験を経ても多孔質金属材の貼付性能に問題のないことなどを確認しました。
     本手法は形状平滑化が困難な部位においても適用が可能であるため、新たな空力音低減手法として広く活用されることが期待されます。




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