第1の工法として、構造物騒音の低減を目指し、軌道およびRC床版にフローティング構造を採用した新形式鋼橋を提案し、実物大の試験鋼桁を架設しました(図1)。列車速度40km/hの走行試験の結果、主桁ウェブの振動速度レベルで,従来の直結軌道構造と比較して、フローティング・ラダー軌道で約7.5dB、フローティング構造のRC床版でさらに約2.6dBの低減が可能であることを確認しました(図2)。
第2の工法として、ゴムとセメントモルタルを混入したゴムラテックスモルタル(RLM)を橋梁の鋼板両面に5mm吹き付ける方法を提案し(図3)、主桁で従来の磁性複合型制振材と同等な約7.8dBの制振効果(インパルスハンマー加振による、A特性補正振動速度)が得られることを確認しました。RLMは磁性複合型制振材に比べて十分な耐剥離性・耐候性を有し、塗装および既存の制振材取り付け費用に対して約50%のコスト削減が可能です。施工が簡易なため、既設鋼橋の制振にも適用できます。
また、高強度・高じん性の橋梁用高性能鋼材(BHS)を合わせて用いることにより、従来と比較して鋼重を5%程度低減でき、コスト縮減が可能となります(図4)。
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