10.列車走行に伴って沿線に放射される電波雑音の推定手法
  • 車両を発振源、架線とレールを放射アンテナとする電波雑音を推定するための基礎モデルを考案し、放射強度の変動特性が再現できることを確認しました。
  • 列車の走行によって鉄道沿線に放射される電波雑音については、標準的な測定法と限度値が既に国際規格として定められています。しかし、実際に放射されている電波雑音の強度、あるいは放射源の位置やその特性については、これまでは実測でしか把握することができませんでした。そこで、走行列車を電波雑音の発生源(発振器)、車上配線・トロリ線・レール・変電所を放射源(アンテナ)とする基礎的な解析モデルを考案しました(図1)。本解析モデルにより、10MHz以下の周波数域では列車が遠い位置でも電波雑音が受信され、かつ周期的に変動する様子が、また10MHzより高い周波数域では列車の直前でのみ電波雑音が受信される様子が再現できました(図2)。この結果より、鉄道からの電波雑音放射は、列車の走行方向に対して大きさが変化するループアンテナからの放射として考えればよいことがわかりました。本手法を用いることにより、コンデンサやリアクトルの付加、ぎ装配線の変更といった対策が、電波雑音強度の低減に寄与するか否かを判断することが可能です。




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