2. 磁石と超電導バルク体を組み合わせた超電導磁気軸受
  • 超電導磁石と超電導バルク体を用いた小型の超電導磁気軸受を試作しました。
  • 試作した軸受は、静荷重で10kN以上の荷重容量があり、500kgの高速回転体を安定して浮上支持することができます。
  • 電力貯蔵用フライホイールの支持などに適用することを目的に超電導磁石と超電導バルク体を組み合わせた超電導磁気軸受の開発を進め、小型の超電導磁気軸受を試作しました。
     試作した超電導磁気軸受では、超電導磁石をステータ(固定側)に、超電導バルク体をロータ(回転側)に配置しています(図1)。超電導磁石はコイルを回転軸に対して直列に2個配置して、これらを異極に励磁することで大きな電磁力を発生させます。超電導バルク体は液体窒素で冷却した直径60mm、厚さ20mmのものを2個使用しています。
     この軸受は、静荷重で超電導磁石の耐荷重限度の10kNを超える荷重が支持できます。超電導体と永久磁石または鉄を組み合わせた従来の磁気軸受と比較して、単位面積あたりで10倍以上の荷重支持容量があります。さらに、この軸受を利用して回転体を支持する試験装置を製作し(図2)、500kgのフライホイール回転体を3000rpmで安定して回転支持できることを確認しました。
     今後は、超電導バルク体の配置や冷却温度を下げて、荷重支持容量を更に高めるとともに、フライホイール蓄電装置のシステム構成を提案する予定です。




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