地震時における高架橋柱の損傷評価の精度向上とダウンタイムの短縮を目的として、RC ラーメン高架橋柱の地震時の損傷レベルを評価する部材角測定装置を開発しました。この装置は、測定棒を介して、2 方向の機械式( 電源不要) 変位ピークセンサーで高架橋柱上端の任意方向の最大応答部材角を測定し、当該柱の損傷レベルを推定するもので、鋼板巻き補強され内部の調査ができない柱の損傷レベルも推定できます( 図1)。 部材角測定装置の単体での動作確認試験、実物大模型柱に設置しての静的試験、さらには縮尺模型柱に設置しての動的試験により、実際の部材角と装置による測定値の差が、柱が損傷する0.01rad 以上の部材角では10%以内であることを明らかにしました( 図2)。 営業線に適用するため、限られた数の部材角測定装置から線区内の高架橋柱の損傷レベルを効率的に推定する設置箇所選定手法を提案しました。4 モデル線区で模擬地震動による被害解析を行い、例えば海溝型地震動に対しては、高架橋の応答特性を考慮して500m 間隔で装置を配置すれば、誤差が10%以内に納まることがわかりました( 図3)。