新幹線、在来線を問わず、分岐線側の通過列車が多いポイント部では、トングレールの摩耗が著しく、交換周期が短いことから、これまで摩耗対策として採用されてきたスラッククエンチ式熱処理(SQ 処理)のトングレールよりも更に耐摩耗性能を向上し、使用期間の延伸を目的とした新たな耐摩耗トングレールを開発しました。 開発した耐摩耗トングレールは、材料をSQ 処理用のレール鋼から熱処理レール用のレール鋼に変更し、表層硬化と折損防止のための深部のじん性確保を両立させるために、熱処理時の余肉がレール温度に及ぼす影響を考慮して考案した新熱処理条件により製作します(図1)。 開発した耐摩耗トングレールは、JIS に規定されている落重試験を含む全ての試験で規格を満足していることを確認しました。また、これまでSQ 処理を施したトングレールで約4 ヶ月毎に計画交換している営業線のポイント部に、試作した耐摩耗トングレールを試験敷設し、最も摩耗の進行が早い先端から300mm 位置の摩耗量を比較し、良好な耐摩耗性能を有していることを確認しました(図2)。本開発品の採用により、トングレールの交換回数が減り保守コストの縮減を図ることができます。