6.浮きまくらぎ・構造物境界部軌道沈下対策
  • 閑散線区の有道床軌道において、短い施工間合いでも浮まくらぎの補修を行える 水ガラス・ポリマーゲル充填工法を開発しました。
  • 構造物境界部の軌道沈下抑制のため、プレパックドコンクリートブロックによる路盤強化工法を開発しました。

 長らく道床交換が行われていない有道床軌道では、バラストの土砂混入率が高い場合があり、タイタンパーによる軌道整正があまり効果的ではありません。そこで、閑散線区を対象とした簡易な浮まくらぎ補修方法として、水ガラス・ポリマーゲル充填工法を開発しました。本工法は、水ガラスを配合した粒状充填材を空気圧でまくらぎ下に充填(図1)した後に、環境負荷の小さい生分解性ポリマー水溶液を浸透させて複合ゲルを形成させることで浮まくらぎを補修する工法です。本工法は道床交換を必要とせず、概ね10分以上の列車間合いがあれば施工できます。現地試験で本工法を適用した場合、タイタンパーによる軌道補修と比較して、軌道変位進み速度が約1/3 になりました(図2)。
 ボックスカルバートや橋台等のコンクリート構造物と盛土等の土構造物の接続部では、軌道の沈下が生じやすく、保守上の弱点箇所となっています。そこで、短時間の間合いで施工可能な剛性の高い路盤を構築し、構造物境界部の軌道沈下を抑制する方法として、プレパックドコンクリートブロックによる路盤強化工法を開発しました。バラストを撤去して、路盤を掘削した後、バラストを入れた角型バッグを設置し、角型バッグ間へバラストを投入し(図3)、超早強のモルタルを充填する方法です。実物大模型による繰返し載荷試験により、本工法が構造物境界部において軌道沈下を抑制するのに有効であることを確認しました(図4)。





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