1.車体剛性向上による乗り心地改善手法・強度向上手法
  • 内部骨組に補強材を取り付けてリング化構造にすることで曲げ剛性を向上させ、 乗り心地に関連する振動特性を改善する手法を提案しました。
  • リング化構造により車体側面強度が向上することを部分構体で確認しました。

 これまで車体強度を担う主要部材と認識されていなかった「内部骨組」を活用することによって、車体剛性を向上させ乗り心地に関連する振動特性を改善する手法および強度を向上させる手法を提案しました。
○剛性試験車体における剛性向上
 天井・戸袋・床部の内部骨組に補強材を取り付けて「リング化構造」(図1)にすることで、リング化構造なしと比較して、車体の静的な剛性の指標である「相当曲げ剛性」(車体全体を一様なはりと見たときの剛性)を約13%向上できることを、通勤形車両を想定して設計・製作した剛性試験車体を用いた構体荷重試験で確認しました。また、ステンレス鋼製車体の特徴である「車体各面が独立に変形する振動」の抑制効果もあり、車体剛性の動的な指標である「固有振動数」が、主要な振動モードで3 〜 6Hz程度上昇することを車両試験台試験で確認しました(図2)。これにより、車体全体が「はり」として振動する特性に近づくため、車体曲げ振動低減のための対策が立てやすくなります。また、固有振動数の上昇とともに人間が感じる振動に対する感度が低下するため、乗り心地上有利になります。
○実物大部分構体における強度向上
 実物大部分構体(幅2m)を用いた準静的強度試験(図3)により、リング化構造部は従来構造に対して、車体側面からの荷重に対する車体変形量を約40%に減少できることを確認しました。これにより、横転事故等で車体変形を低減する効果が見込めます。





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