2.ナノ材料を用いた車両用床材
  • ナノ材料を用いて難燃性で軽量な車両用床材を試作しました。
  • 試作品の特性が省令等に基づく規格値を満足することを確認しました。

 車両用床材は難燃性確保のためにハロゲン含有の高分子材料を使用していますが、燃焼時に有害ガスを発生するため、火災時の安全性や廃棄処理が問題となっており、近年車両用床材は脱ハロゲン化が求められています。高分子材料の脱ハロゲン化と難燃化を両立するには添加物の配合量を増加する必要があり、重量増加、柔軟性低下、脆性増加を招くなどの問題がありました。これらの問題を解決するため、ナノ材料の車両用床材への適用を行いました。ナノ材料は高分子材料にナノレベル(10-9m)の微細粒子を分散させた材料で、微細粒子を少量添加するだけで難燃性を含めた材料性能が向上できる特長があります。
 ナノ材料の適用方法を検討した結果、床材表面へ被覆すると最も高い難燃性を示すことが分かりました(図1)。ナノ材料の表面積層品は、省令に基づく試験においても車両用床材として要求される「難燃性」の基準を満足しました。機械強度も旧JRSで定めていた規格を満足し、車両用床材としての適用性が確認されました(表1)。また、材料の密度を小さくできるなどにより、従来の車両用床材と比較して単位面積あたりの重量が50%以下にできるなど軽量化の効果も得られました。





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