2.磁界の空間分布可視化装置

 鉄道に関連する磁界の規制については、2012年に国土交通省より「鉄道における電磁界の規制」が通達されるなど、活発な動きがあります。この規制では鉄道関連の地上電気設備からの磁界に数値規制を課すなど、設備の建設・更新に大きな影響を及ぼすことになりました。
 これまで、鉄道車両内外の磁界の測定には、専門的な知識や特殊な装置が必要で、磁界の分布や強さを直接目で見ることができませんでした。そこで、スキャン方式とマトリックス方式の2つの方式の磁界測定装置を開発しました。
 スキャン方式は、位置検出器により正確な空間座標を、磁気センサにより磁界を同時に測定するもので、インターフェイス装置を介してパソコンにデータを蓄積します(図1)。
 マトリックス方式は、磁気センサと表示素子を多数配列したもので、直観的にわかりやすく、小型、軽量、省電力で、磁界の発生源の探索に使用できます(図2)。
 これらの装置は、実車などでの動態測定にも適用でき、今後の鉄道の磁界関連の検討における効率的なツールとして使えます。